第55回スプリンターズステークス。
毎年開催最終日に行われるこのレース。
昨年は荒れた天気が続きスプリンターズステークス当日は内がかなり荒れて
外からの差しが有利な馬場状態だったが、今年は当該週金曜日に降雨はあったものの
そこまで馬場は悪化していない。
土曜日の芝のレースは内の先行がそのまま残るケースが多かった。
最終週のCコースだが昨年のような馬場はイメージしない方がいい。
ただ、スローペースのレースが多かったのでハイペースになると決め手のある差し馬にも注意が必要になるだろう。
レシステンシア。
2歳時から1600mでもやや長いのでは?と睨んでいたがやはり古馬になってスプリントに適性を見せてきた。
先行力があるのでレースぶりが安定しているし、かつ高速馬場も道悪もこなしている。
高松宮記念では差す競馬もこなせるところを見せた。
中山が初となるが、関東遠征自体は経験済みだし阪神や中京で結果を出していてパワーもあるので坂も不安要素にはならないだろう。
自身はハナに拘るタイプではないし、モズスーパーフレアが何がなんでもハナに行くなら好位からレースを組み立てやすい。
勝ち切るにはもうひと押し欲しい感じもするが、レース運びの上手さが魅力。
ダノンスマッシュ。
昨年2着で一昨年が3着。
勝ち切れていないが、昨年はスタートで遅れたもののすぐにリカバリーできてその後は完璧なレース運び。あれで負けてはグランアレグリアが強すぎたとしか言いようがない。
一昨年もこの馬にとっては内枠がアダとなり直線で少し追い出しが遅れてしまっての敗戦。
力は確かだし、春の高松宮記念では苦手とされていた道悪のレースでも勝ち切って充実一途。
脚質にも幅が出て、レシステンシアとモズスーパーフレアとの並びからもレース運びの
イメージはしやすいだろう。
よもやのスローペースにでもならない限り、大崩れは考えづらい。
モズスーパーフレア。
土曜日の芝のレースはスローペースが多かったとは言え、やはり昨年の当レースの時とは馬場状態がかなり異なる。
土曜日が重発表からのスタートだったので、普通に考えれば日曜日は更に回復して時計もある程度速くなってくるだろう。
直線でラチを頼って走りたいタイプのこの馬にとって、昨年の馬場は最悪だったと言える。
また、ビアンフェに雁行される形になりかなりのオーバーペースになってしまった。
今回大外枠だがこの馬のやることは変わらない。
同型については、昨年のビアンフェのレースぶりはあれも競馬とは言えずいぶんと叩かれた。
重賞を勝って臨んでくる今回はそこまで無茶はしてこないだろうと思う。
多分だけどww
本来中山は得意なので、ハナさえ切れれば昨年とは違った姿を見せられるはず。
あとは、カギとなるのがメイケイエールの動向。
陣営もいろいろと工夫は凝らしているようだし、3枠6番なら抑える競馬を試みてくるだろうが今回もまたいつものように途中から制御不能になって暴走気味に前に行くようなら乱ペースになる可能性がある。
モズスーパーフレアにとって厄介な存在なだけでなく、レースの展開のカギを握る馬と言っていい。
チューリップ賞の時も桜花賞の時も事故の引き金になりかけたし、
めんどくさいからまともにレース運びできないならG1に出てこないでほしいのだがそうも言ってられないので、モズスーパーフレアに付随する懸念材料として折り込んだ上で
考えるしかない(苦笑)
レシステンシアとダノンスマッシュはある程度前を見る位置での競馬をすると思うので、モズスーパーフレアが単騎で行けた場合はいいが行き切れなかったり昨年のように絡まれたりした場合はペースが乱れることも想定しておく必要がある。
そう、メイケイエールのせいで想定しておく必要がある。
まずはピクシーナイト。
春は1600mで前に行く競馬をしていたが、スプリントで差す競馬に転換してからの方が
明らかに内容がいい。
特に前走のセントウルステークスは開幕週の高速馬場で内の先行有利な状態の中、外からよく差を詰めた。
まだ3歳の段階でこれなので福永さんが高く評価しているのも頷ける。
しかし、まだ左回りでしか勝っていないし中山も初。
小倉で行われた前々走のCBC賞では直線で上手く内を突いて2着にきたが13頭立てだったし、フルゲートの中山のG1で同じようなレースができるかどうか。
同厩のモズスーパーフレアと枠が逆だったらよかったんじゃないかと思う。
克服しなければいけない課題も多いが、乱ペースになれば展開は向きそう。
エイティーンガール。
昨年も狙ったこの馬。
外差し有利だったので展開も馬場も向いたかと思ったが直線で進路を失ってドン詰まりだった。
左回りは今ひとつだが、右回りで少し時計を要する馬場で決め手を生かすのが得意なパターン。
日曜日になって馬場の回復が進み時計が速くなったりするとマイナス材料だし、
展開の助けも欲しい立場の馬なのでアテにしづらいところはあるが嵌まればかなり強烈な決め手がある。前崩れなら。
ジャンダルム。
最近は出遅れが常態化しており、毎回スタートがカギになるが前走のセントウルステークスの脚は出色。
スタートした瞬間に終わったと感じさせるほどの出遅れだったが絶望的な位置から3着と差のないところまで追い込んできた。
3走前、今回と同じ中山1200mの春雷ステークスで圧勝しており中山とは相性がいい。
あの時のようにいい位置で流れに乗りたいところ。
また出遅れてしまった場合はもう展開が向くのを祈るしかないが…。
アウィルアウェイ。
昨年の3着馬。外差しと読んでいたがこの馬よりエイティーンガールに重きを置いたせいで馬券はヤラれ、思わず「そっちかよ!」と天を仰いだのはいい思い出です(笑)
ムラっぽい戦績に見えるが、大崩れしているのはほとんどが道悪の場合。
昨年のシルクロードステークスではエイティーンガールを破って勝っているように
良馬場なら末は確か。この馬も嵌まれば、というところ。
ただ、今回の騎手交代がよかったのかどうかは何とも言えない…。
レースを引っ張る馬がいるので高松宮記念の1,2着馬にとっては競馬が組み立てやすい
と思うのだが、良くも悪くもメイケイエールが予想を引っ搔きまわしてくれそうである。
今回も現時点での勝負気配は「C」といったところ…。