2023年の安田記念。
ただでさえ強いメンバーが揃っていて難解なのに、天候も金曜日から土曜日の午前中まで雨が降ってその後は晴れる予報ということで馬場状態の変遷も大きなカギになってくる。
どういう具合に予想を組み立てていけばいいかわからなくてウンザリしてしまいそうだが向き合っていくしかない。
東京競馬場の芝は金曜日の時点で既に不良の発表。土曜日の午後から晴れたとしてもせいぜい重に回復するくらいが精一杯だろう。
そのまま天気予報どおりに日曜日も晴れた場合、安田記念の時間帯には稍重もしくは良馬場まで回復しているだろう。
仮に良発表まで回復するなら時計も速くなってくるかもしれないので注視したい。
更に、内から乾いてくるので内が有利で外がやや伸びにくい馬場になるかもしれない。
これがメインシナリオだが、当然外差し馬場になる可能性もあるので土曜日と日曜日の芝のレースを見て判断するしかない。
どちらのパターンになってもやれそうと思えるのは⑫ナミュールか。
前走ヴィクトリアマイルは例の挟まれた不利が本当に致命的なものだったのかどうかで物議を醸した。
前々走の東京新聞杯同様にある程度位置を取って競馬をしようとしていたように見えたので、やはりスタート直後にいきなり下げさせられたのは痛かったと思う。
最後の直線でも窮屈な形になり、結局外のディヴィーナが進出するのを待ってからの追い出し。7着が精一杯だったのも仕方なし。
東京新聞杯の時のような競馬ができれば、回復途上で内伸びになった馬場も向く。
更に、展開や馬場次第で差す競馬もできる馬。
道悪についても、案外やれると思っている。
昨年のエリザベス女王杯は道悪で極端な外差し馬場。上位にきた馬のほとんどが自身より外を通って進出してきており苦しい形ながらも5着。じわじわと伸びてはいたし敗因は馬場よりも距離に求めたい。
昨年の桜花賞では内有利な高速馬場で大外枠というのもあって敗れているので、極端な高速決着ではない1600mのレースなら案外どんなケースにも対応できるのでは?と思っている。
①ナランフレグ。
1600mは長いイメージがあるが、昨年の当レースは9着とはいえ勝ち馬と0.4秒差のところまできている。
安田記念にしては緩いペースで勝ち負けするには32秒台の脚が求められるレースになったので、さすがに上位の馬には切れ負けしたし大外枠も痛かった。
更に、致命傷にはならなかったもののスタート直後に隣のサリオスが外にヨレた煽りを食って自身が外に弾かれる不利もあった。悲観一辺倒になるほどの内容ではない。
昨年の高松宮記念が重馬場で勝利。今年の高松宮記念が不良馬場で4着。
いずれも荒れた内を強襲するという内容で、馬群の中や狭いスペースでも怯まない根性がある。左回りも合っている。
今回の安田記念は大外だった昨年とうって変わって1枠1番。
そして昨年ほど速い上がりと時計が求められる馬場にはならないだろう。
レースの時間帯に回復途上で内有利な馬場になっていればこの馬の得意な競馬のスタイルとマッチする。
どうせ人気もないので詰まるのも覚悟の上で腹を括ってインを強襲する競馬に徹すれば面白い。
仮に外差し傾向の馬場になっていたとしても、荒れ馬場や道悪を苦にしないこの馬はポッカリ空いた内に突っ込んでいけばいいのだから結局やることは変わらないはず。
鞍上ともずっとコンビを組んでいるし、迷いがないのは強みになると見たい。
⑤ソダシ。
1600mのレースでは芝ダート両方含めても1度も馬券圏外に崩れたことがない。
道悪だとどうか?と懸念していたが想定通りに天候と馬場状態が変遷するならば、恩恵を受けられそう。
大外枠だった前走に比べ今回はずいぶんと競馬しやすい枠に入ったし、安定した先行力があるので最後まで内のグリーンベルトを通れるだろう。
ソダシの立場からすれば、想定外に雨が長引いたり外差し傾向の馬場に変わっていくような事態は避けたいところ。
③ジャックドール。
調教師が単純なタイムを引き合いに出して1600mは大丈夫だと机上の空論を展開させているのが不安だが、結局は走ってみるまでわからないというのは仕方がない話。
前半4Fを47秒程度で刻んだ経験しかなく45秒台とかになった時に対応できるのか、など課題はあるが同型のウインカーネリアンが外枠に入ったのでプラン自体は組み立てやすくなったはず。
うまく序盤のペースの違いに対応して、ハナか2番手あたりで流れに乗れればこの馬も馬場の恩恵がありそう。
想定外に雨が長引いたり外差し傾向の馬場に変わっていくような事態は避けたいところ。
⑩ソウルラッシュ。
昨年の当レースが13着だが、これは最後の直線でドン詰まりになって進路を失ったのがすべて。
これを除けば強い相手にも大崩れせず安定して走れている。
あともうひと押しあれば、というところだがこの馬は道悪の実績が豊富。
内有利の馬場になってしまうとまた差しそこねて負けるパターンが怖いが、予想外に雨が長引いたり外差し傾向の馬場にでもなれば一気に浮上する。
⑭シュネルマイスター。
今年は中山記念から立ち上げて休み明け2走目でマイラーズカップを使われた。
このマイラーズカップをどうしても勝ちたかったのか、ここがこの春の目標だったのか。真意はわからないがなぜか早めの栗東滞在を敢行するという念の入れよう。
その結果見事にマイラーズカップを制したのはいいのだが、安田記念を目指していたのなら奇行としか思えない。
前走をメイチで勝ちにいった印象が強く残ってしまって買いづらいが、実績馬だしルメールさんなら当日しっかり馬場を読んで走りやすいところを選択してくれるだろうという期待はあるので押さえには。
他にも、良馬場でしか走ったことがないのが不安だが昨年のマイルCSの決め手が桁違いだったセリフォス、ヴィクトリアマイルで荒れた内を突いて勝利し馬場への対応力も見せたソングライン、8枠17番は痛いが東京新聞杯が好内容で侮れないウインカーネリアンなど粒揃いで絞り切れない。
なので、馬場が向くか向かないかである程度割り切って取捨を判断していこうと思う。
今自分が想定している通り、回復途上で少し時計を要する内有利の馬場になった場合は
①ナランフレグ、⑫ナミュール、⑤ソダシを中心に。
馬場の回復とともに外差し傾向になってくるなら⑭シュネルマイスター、④セリフォス、⑱ソングラインに①ナランフレグと⑫ナミュールを加えて買う。
雨が長引いて安田記念が不良や重での施行となった場合は軸を⑩ソウルラッシュにする。
G1馬10頭の豪華メンバーと言われているが、案外道悪の実績のある馬が少ないので予想がしづらい。
更に当日の天候も予想しづらいということで、勝負気配「C」としときます。
ひっそりと1ー12のワイドでも買って楽しんでみようかと思う。