2023年の東京優駿。
例年通りCコース替わり初週の開催となる。
直近3年のダービーは開催期間中にそれなりの量の雨が降った影響もあって、Cコース初週でもどちらかと言うと外差し傾向のトラックバイアスだった。2021年と2022年に関しては前週のオークスからその傾向が出ていたと記憶している。
さて今年はどうかだが、先週のオークスは内外フラットなトラックバイアスでまだ時計も速かったし今週も前半に少し降雨があった程度。
過去3年に比べればやや内が有利で時計も速い馬場になるのではないか。
前で競馬したいパクスオトマニカとドゥラエレーデが8枠に入り他にも先行したいタイプが結構揃っているので、皐月賞ほどではないがペースはある程度流れるだろう。
それでもあまり後方から外を回すような競馬だと厳しい。
好位で流れに乗れる馬に展開と馬場の利がありそう。
皐月賞で展開と馬場に泣かされた馬の巻き返しに要注意。
⑤ソールオリエンス。
そんなに逆らう要素はないと思う。
道悪の超ハイペースで先行馬が全滅。馬場の外めを通った差し追い込みが上位をほぼ独占した皐月賞は展開がはまったという見方も強いが、上がり3Fのタイムが2位に1秒近く差をつけてダントツの1位。そもそも力が抜けていた。
新馬戦が東京1800mでクビ差の辛勝だったことで東京コースの良馬場でのレースを不安視する声もあるが、2着に負かしたレーベンスティールは相当な器。
まだ1勝クラスとはいえ、先々週の東京1800mのレースでの勝ちぶりは圧倒的だった。
むしろ京成杯の内容から右回りの方が不安視されていたくらいなので、東京へのコース替わり不安説も杞憂に終わるだろう。
あえてケチをつけるとすれば、鞍上が気負いすぎてないかということくらい。
抜けた人気になっても軸はこれ。
⑦フリームファクシ。
皐月賞は9着。ディアドラの半弟でルーラーシップ産駒ということで、そのイメージだけでなんとなく道悪はこなせるんじゃないかと思ったがそんなに甘くはなかった。
いつもより後ろの位置取りになってしまったし、馬場に泣かされた印象。
中京できさらぎ賞勝ちを含む2勝。新馬戦で東京コースも経験済なので今回良馬場の左回りに条件が変わるのは大きなプラス。
本来はもっといい位置で競馬ができる馬で、位置取りも皐月賞の時とは違ってくるだろう。
前々走まで騎乗していた川田さんがコメントしているように力んで走る面がある馬。
ある程度ペースを引っ張りそうな先行馬がいるのもいい材料。
課題となる折り合いについても前走皐月賞を見る限りはずいぶん改善してきているように思えた。
単に道悪のせいでうまく進んで行かなかっただけ、という可能性もあるのでまだ安心はできないがいい兆候。
本質的には距離は2000mくらいまでかもしれないが、好位で折り合いをつけてスピードとパワーを活かすレース運びができれば今の東京の馬場を味方につけて克服できる。
気性面に不安は残すが、そこに進歩があれば皐月賞とは全く異なる条件に変わって巻き返す。
①べラジオオペラ。
ダービーのラッキーナンバーである1枠1番を引いたのでジワジワと人気になってきそうだが仕方ない。内~真ん中くらいの偶数番でよかったのだが…。
前々走スプリングステークスは差す競馬で勝利したが前走皐月賞はデビューから見せていた先行策。しかし内が荒れて外有利な重馬場で超ハイペースとなり展開も馬場も最悪だった。
結果は10着だが、実は同じような位置にいた逃げ先行勢の中では最先着。
いちばん最初に手応えが怪しくなり真っ先に4角からズルズルと後退していった割には見た目以上にしぶとかった。力のあるところは見せたと評価したい。
デビュー戦が阪神1800mで2戦目が東京1800m。
いずれもスローな流れを先行し終いも速い上がりでまとめるという危なげない勝ちぶりでレースセンスが高い。
本質的には2400mは少し長いかもしれないが、行きたい馬を何頭か行かせて先団直後の内目で立ち回る競馬なら馬場も味方にできる。
繰り返すが、皐月賞は馬場と展開が全くマッチしない最悪のレース。良馬場の東京なら違うはず。
⑩シャザーン
新馬戦でダノントルネードの2着に敗れた後、故障で順調さを欠いてしまい何とかダービー出走までこぎつけた。
皐月賞で優先出走権を取れなかったので賞金のボーダー的に出走の可否が微妙な立場だったが馬の状態を考えてトライアルを挟まずここ1本に絞っての調整。
おかげで状態は上向いているし、結果的にギリギリ18番目で出走が叶って運もある。
前々走のすみれステークスは6頭立ての超スローとはいえ阪神の内回り2200mで上がり3F33.1の脚を繰り出して勝利。
前走皐月賞は馬場が向くとは思えない中で上がり3F2位タイの脚で6着まで追い込んできている。
いい決め手があるし新潟と中京で結果を出しているので良馬場の左回りに舞台が変わるのは歓迎。何だかんだでまだ大崩れしたことがないのも心強い。
今回のダービーは皐月賞の特殊な馬場と展開に泣かされた馬の巻き返しを狙いたいが、その皐月賞から騎手が乗り替わる馬が多い。
ダービーは前走から騎手が乗り替わった馬の戦績が今ひとつという傾向がある。
それが悩ましいのだがシャザーンは継続騎乗。
これも買い材料か。
この馬に騎乗する騎手自体を信頼するかどうかはまた別問題だが…(笑)
②スキルヴィング。
前走青葉賞は2着のハーツコンチェルトがロスのない完璧な立ち回りをした中、スキルヴィングが大外を回っての差し切り勝ち。
強い勝ち方だったが時計、上がりともに平凡。上がり3Fが1位ではあったものの2着と同タイム。ちょっと評価しづらい。
明らかに過剰人気で、自分もこの馬はペルーサ派であるww
とは言え、ルメールさんが皐月賞後にダービーでのファントムシーフの騎乗をいったん保留し青葉賞の結果を待ってまで継続騎乗に拘ったのがこのスキルヴィング。
正直これだけが買い材料という感じ。押さえまで。
⑭ファントムシーフ。
皐月賞は3着。途中落鉄もあったようだし結果的に道悪が今ひとつだったようだがさすがに力のあるところを見せた。
崩れたことがないのは魅力だが、今の東京の馬場でこの枠は微妙。決め手勝負のタイプではないので尚更だと思う。
2400mへの距離延長も微妙なところ。
ハービンジャー産駒の東京2400mの戦績もイメージほどよくない。
皐月賞3着馬は好相性だと鞍上もコメントしていたが、強気には押しづらい。
⑫タスティエーラ
前走皐月賞は先団を見る位置からうまく馬場のいい外目を追走し、差し追い込みに向いた流れにあって好位から2着。
上位の中では最も早く動き出したがソールオリエンス以外は振り切ったのだから強い競馬だった。
この馬こそ怪物と推す声もある。
ただ、どうしても中山コースが向いたのと他馬が苦にしたぶん道悪も味方した印象が拭えない。共同通信杯→弥生賞→皐月賞→ダービーとすでにこの春4戦目なのも気になる要素。期待より不安の方が大きい。
⑧メタルスピード。
直近2走は馬場や展開に恵まれた感もあるし距離延長も微妙だが、意外性のある走りを見せている。見た目以上にしぶとく脚を使える馬という印象。
ジワジワと力をつけているし、乗り替わりの馬が多い中で津村さんの継続騎乗もプラス材料。
先週のオークスのヒップホップソウルも結果は6着だが神騎乗だった。
津村さんは新潟だけの人ではない。注意はしておきたい馬。
毎年言っているがダービーは相性のよくないレース。
今回はほとんど皐月賞組で固めるつもりだが、こういう時に別路線組にやられたりするのが例年のパターンである(苦笑)
勝負気配「C」としときます。
土曜日の欅ステークスで資金は調達できたので、気楽に買っていきたいと思う。