第83回オークス。
Bコース使用の東京芝は全体的に内が荒れてきており、先週は各馬が最内を開けて通るケースも多かった。
その先週のヴィクトリアマイルが3年ぶりに1分32秒台の決着。過去4年では最も時計を要した。
メンバーも展開も違うので一概には言えないものの、31秒台の持ち時計のある有力馬が複数いる中での結果なので例年のこの時期よりも少し時計がかかっていると感じる。
今週はほとんど降雨がなかったようだが、土曜日と日曜日早朝に少しだが雨が降る予報。
桜花賞やフローラステークスの時のような極端に内の先行有利の馬場にはならないだろう。
例年通り緩めの流れからの瞬発力勝負が濃厚なので、決め手があれば差しも台頭できる。
考えていることは皆同じだろうから、桜花賞やフローラステークスの勝ち馬よりもそれらのレースで展開と馬場に泣かされた馬と忘れな草賞勝ち馬が人気を背負うことになりそうだが、それらを中心に考えたい。
まずはサークルオブライフ。
前走桜花賞は馬場と展開と枠の並びの煽りをモロに食う形で4着。
とは言えメンバー最速の上がりの脚は使っているし、外からきた馬の中では唯一掲示板に載った。見どころは充分だったと思う。
今回は条件は大きく好転する。距離延長は歓迎だし、前残りの展開と馬場の中で大外から差し切ったアルテミスステークスの内容から東京コースもベスト。
枠も内めの偶数番で、馬場の変遷を見ながら進路の選択がしやすそう。
最近の国枝厩舎にしては珍しく非ノーザンのクラシック有力馬。
天栄の恩恵がないのでひと昔前の王道ローテでの臨戦だが、ノウハウもある厩舎なので仕上がりに不安はないだろう。前走後は在厩でじっくり調整されている。
「餌やり」とか揶揄されることもなくて却ってよかったんじゃないか(笑)
当日1番人気だろうが軸として信頼。
ずっとオークス向きだろうと思っていた馬。
ここまでキャリア4戦で(2.0.0.2)だが大崩れしたのが2戦とも関西での競馬。
小柄なタイプだし神経質な面もあるのか、長距離輸送はまだ課題が残るかもしれない。
しかし2勝している関東でのレースは内容がいい。
東京1800mでの新馬戦は先行して33秒台の上がりで押し切り勝ち。
2着に下したエピファニーもなかなかの評判馬で、決して相手に恵まれたワケではない。
前々走のフェアリーステークスは1600mだとやや忙しいのか、序盤は流れに乗れず追走に苦労しながらの競馬。
後方からずっと外を回って上がっていく形で4角も大外ぶん回し。
小回りの中山1600mでロスの大きい競馬だったが最後まで伸びて差し切った。
2着に負かしたのが内をスクってきたスターズオンアース。4角で大きな不利を受けて10着だったエリカヴィータは次走フローラステークスでしっかり巻き返して勝利。
ハイレベルなメンバーで強い勝ち方をしている。
前走の桜花賞はスタートで大きく出遅れ。当時の阪神の馬場とあの展開ではもうノーチャンスだった。
直線に向いたところで前が壁になるような場面もあったが、進路ができてからも全く伸びず完全に戦意喪失していた。
まあ、まともに走ってないんだから疲労も大したことないだろうと都合よく解釈したい。人気薄を狙う際には都合いい解釈、重要です!ww
当然今回もゲートは課題になるが、前走のような極端な出遅れさえなければ当時の阪神より今回の東京の方がリカバーしやすい。巻き返せる。
アートハウス。
前走忘れな草賞は馬場の恩恵もあったにせよ完勝。非凡な瞬発力を見せた。
前々走のエリカ賞は2歳戦としてはハイペースな流れを2番手から追走し直線も早めに並びかけていく形で失速したが、しっかりと立て直してきた。
新馬戦を見ても、現時点では緩い流れの瞬発力勝負の方が合っている印象。
過去3戦を見る限りはそれほど折り合いに苦労している感じもないので距離もそんなに不安視しなくてもよさそう。
好位の内めでジッとして、直線だけ馬場のいいところに持ち出して脚を使うイメージがしやすい枠にも入った。
ただ、陣営もコメントしているようにまだ成長途上の中で初輸送に初コースに一気の相手強化といろいろ壁も多い。未知数なぶんトーンも上がってこないのは当然と言えば当然か…。
それでも能力に期待したい。
ルージュエヴァイユ。
前走フローラステークスは開幕週の馬場でペースも大して速くなく、内を通った先行馬しか上位に来られないレースだった。
後方から運んだこの馬には絶望的な展開。直線向いても馬群がバラけずなかなか抜け出すスペースがなく、進路ができてからは伸びてきたが時既に遅し。
それでもメンバー中唯一33秒台の脚を使ったし、能力は見せた。
ある程度馬場が回復したとしても前走ほど極端なトラックバイアスもないと思うので、今回の条件の方が向く。
スムーズに捌ければ前進がある。
代打の神様に乗り替わりで過剰人気の感はあるが要注意。
スターズオンアース。
ずっと勝ちきれず少し足りない競馬が続いていたし、前走桜花賞も再現性の低い勝ち方だったと思っている。
力関係的に同世代の中で抜けた存在ではない。
ただ、桜花賞を意識してマイルをメインに使われていただけでベストの距離はもう少し長い方がいいかも知れない。
陣営もルメールJもそのことに触れており、距離延長に不安はなさそう。
大外枠を引いてしまったのと、既に今年4戦目で桜花賞からの上積みまではどうか?という点であまり強気にはなれないので押さえまで。
ベルクレスタ。
桜花賞でも狙ったが、この馬も馬場と展開に泣かされたクチ。
上がり3位タイの末脚を使いナミュールやプレサージュリフトには先着しての7着で、外を回った馬の中ではサークルオブライフに次いでそれなりに見せ場はあった。
2歳時は先行する競馬もしていたが、勝ち馬より強い競馬をした前々走のクイーンカップの走りを見ても差しの方が向いていそう。
距離延長は微妙だが、もう少しやれても不思議はない。
軸はサークルオブライフで行くが相手絞りは難しい。
軽視したらエリカヴィータやナミュールやスタニングローズに来られでも全然おかしくない(苦笑)
勝負気配「C」とします。
さて楽しみな韋駄天ステークス。
昨年のルミエールオータムダッシュの1、3着馬の2頭が8枠に入り、堅い決着になりそう。
新潟も開催3週目になり芝も荒れてきている上に、若干の降雨もある予報。
外枠のアドバンテージが大きくなっている。
まずはジュニパーベリー。
千直では安定していて、時計のかかる荒れた芝も得意。
昨年のルミエールADは接戦の3着争いは制したが惜しい内容だった。
好スタートから馬場の外の2列目のポジションを確保。
外ラチ沿いが渋滞するのを嫌って残り400mあたりで早めに少し内に持ち出したのだがこれが裏目に出た。
逃げていたマウンテンムスメも内にモタれてきたことで外ラチ沿いに進路ができ、そこを勝ち馬のマリアズハートと2着馬のタマモメイトウが突いて抜け出されてしまった。
結果論だがそのまま外ラチ沿いを突く選択をしていれば先に抜けていたのはこの馬。
もっと際どい勝ち負けになったはず。千直ならオープンでも上位の実力がある。
もちろん外で詰まってしまう可能性もあったので、この辺りはもう一瞬の判断のアヤでしかないが陣営や鞍上にしてみれば悔しい競馬だっただろう。
前々走のルミエールADの後に休養。そこから約半年ぶりの出走となった前走春雷ステークスはプラス16キロで余裕残しの仕上げ。
明らかにここを目標にした臨戦過程。
枠も再びいいところを引けた。内枠に前に行きたいクチが何頭かいるので、それらを行かせて2列目の外ラチ沿いを確保するイメージがしやすい。
もし雨が強くなってもこの馬にとってはむしろプラス。
斤量もマリアズハートはルミエールADより1キロ増なのに対してこちらは53キロのまま据え置き。
ここは大きなチャンス。
マリアズハート。
昨年のルミエールAD勝ち馬。初の千直で適性を見せた。
昨年の韋駄天ステークス勝ち馬のタマモメイトウを抑えての勝利なので大したもの。
この枠の並びなら、ジュニパーベリーの後ろにつけてそれを見ながら運ぶ形で競馬がしやすいだろう。
予想外に雨が強まりすぎると少し不安だが、稍重まではこなしているし過度な心配は無用。
これも外せない。
ビリーバー。
実は前走の北九州短距離ステークスもこっそり狙っていた。
たっぷりと夢は見させてもらったが、最後は伸び負けて5着。やはり1200mだとひと押しきかないか。
千直では毎回確実にひと脚は使う馬で、一昨年のアイビスSD3着の実績もある。
昨年のアイビスSDは外目の枠だったのに崩れたところを見ると、この馬も高速馬場より時計のかかる荒れた芝の方が合っている。道悪もお手のもの。
なのでアイビスより韋駄天ステークスやルミエール向きなのだが、どうにも枠順に恵まれない。
昨年の韋駄天ステークスが1枠2番で7着。ルミエールADも1枠2番で6着。
ルミエールADの後半600mのタイムを見ると、1位は2着馬タマモメイトウの32.3。3位が勝ち馬マリアズハートの32.5。そして2位がこの馬の32.4。
勝ち馬と2着馬は外枠スタートから外ラチ沿いでうまく溜めが利いていたのに対し、
ビリーバーは内から外に切れ込んで進路を探りながらの競馬。
自身はよく走っているし巧く乗られてもいるが、枠順の差がはっきりと出てしまった。
その点、今回の枠なら昨年の韋駄天ステークスやルミエールADに比べれば捌きやすい。杉原さんとコンビ継続も心強い。
終いは確実に脚を使えるので序盤のロスを少しでも軽減できるのは大きい。
以上、このレースは3頭立てです。三連複11-15-16だけ買っとけば当たる!
…と言いたいところだがさすがにそれは競馬をナメすぎなのでもう少しww
昨年のアイビスSD勝ち馬のオールアットワンス。
当時は外枠で斤量51キロという条件。高速馬場を先行押し切りという勝ちぶりだった。
今回は開催が進んだ馬場で内枠が当たったし、斤量も55キロ。重賞勝ち馬なので仕方ないが、ルミエールAD上位の8枠2頭の方が軽い。
厳しい条件が揃ってしまった。
それでもこの馬のテンのスピードと津村さんの腕を持ってすれば先行できると思うが、どうしても荒れた部分を長く走ってしまうことになるので最後の粘りが心配。
いっそ思い切っていったん下げて外ラチ沿いから終いに賭けるか、どういう乗り方で来るのか注目である。
スピードだけなら最上位クラスだし鞍上も頼りになるが、苦しい競馬になりそうなので押さえまで。
あとは、千直のレースでは警戒が必要なダート短距離からの転戦組であるオヌシナニモノとイモータルスモーク(7枠の2頭)もケアしておきたい。
今度こそ以上。このレースは6頭立てです。あと押さえるとしたら菅原明良を警戒するくらいか…。
11番と15番と16番は当然人気になるだろうから買い方は考えなくてはいけないが、このレースは勝負気配「A」です!