第40回フェブラリーステークス。
昨年の当レースは重発表で締まった馬場。
先行した馬が止まらない高速決着となった。
前日の土曜日までは少し乾いたダートでやや時計を要し、差し追い込みも結構決まっていたので雨の影響は大きかったと言える。
今年も土曜日の時点では似たような傾向。
やはり気になるのはフェブラリーステークス当日に向けてどの程度降雨があるかという点。
まだ天気予報も流動的ではっきりしないが若干の降雨はある見込み。
となればまた昨年のように含水率が上がって高速傾向になり先行中心の決着か。
レモンポップ。
前走を勝利した時点ではまだここへの参戦が正式に決まっていなかったので、状態面では前走がピークだった懸念がある。
また、フェブラリーステークス参戦決定まで少し時間を要した関係で戸崎さんが先にドライスタウトに騎乗が決まったことで乗り替わりが発生した経緯もある。
更に、陣営も認めているようにベストは1400mだろう。距離延長も課題になる。
いくつか不安材料はあるが、前々走の武蔵野ステークスでもギルテッドミラーとハナ差2着で地力は確か。
安定した先行力は大きな魅力で、締まったダートになるなら1400mをコンスタントに
1分22秒台で走れるスピードも武器になる。
1600mなら逆転できるだろうと見込まれていた前走の2着馬ギルテッドミラーの怪我はファンにとっては残念だったが、この馬にとっては追い風。
大崩れは考えづらい。
オーヴェルニュ。
福永さんをして、「好走できる条件の範囲が狭い」との評。
まさにその通りで、砂のキックバックを嫌がる癖も災いしてムラのある戦績になっている。
それだけに外枠が欲しかった。この枠はあまりいいとは言えないだろう。
しかし左回りのダート自体は得意条件で、2年前の東海ステークスはかなり強い勝ちぶりだった。
当時は雨で高速馬場だったが1分49秒台の勝ち時計は優秀。
その後にフェブラリーステークスに挑戦し大敗したが、かなり馬体重を減らしての参戦だったのであれだけで1600mが向かないと決めつけるのは早計だろう。
今回は480キロ台くらいで出走できるだろうし、1800~2000mで少し足りない競馬が続いているので状態さえまともなら距離短縮がいい方に出る可能性は充分。
雨で高速化するのもこの馬にとっては歓迎材料。
福永さんもキックバックを嫌がる癖は把握しているので、スタートからの芝の部分を活かしてうまく砂を被りづらい位置を取って運んでくれるだろう。
枠だけはネックだが、それでも今回は好走できる条件は割と揃っているように思う。
できるだけ雨が降ってほしいところ。
ドライスタウト。
前走すばるステークスは勝ち馬のバトルクライにうまく乗られて直線で追い出しを待たされる場面があっての悔しい2着。
この馬もレモンポップ同様に1400mがベストだろうが、スピードと先行力があるので雨はプラスに働きそう。
前走で差す競馬もできたが、今回は本来のこの馬の競馬でいいだろう。簡単には止まらないはず。
テイエムサウスダン。
転厩してから別馬になってしまっただとか、この馬は岩田父が合っているから戻すべきだとかいろいろ言われている。
とは言え前走根岸ステークスでも先行力は見せていたし、昨年の当レース2着馬でもある。
昨年は誰も行かないとみて途中から逃げの手に出た鞍上のファインプレーでもあったが、雨でダートが締まるなら今年も侮れない存在。
さて、ここまではある程度の雨がある見込みで予想しているが天気予報がかなり流動的でほとんど雨が降らない可能性も出てきている。
乾いたダートである程度時計も上がりもかかる良馬場ならば、東京1600mは差し追い込みも決まるようになる。
実際土曜日のダートのレースでも後方一気が決まるケースがあった。
今回は1200~1400mを主戦場にしていた馬も多いので、ある程度ペースは流れるだろう。
締まったダートならそれでも先行馬が止まらず高速決着となるが、そうはならないのなら話は変わってくる。
ケンシンコウ、ソリストサンダー、レッドルゼル、アドマイヤルプスあたりが狙える。
ケンシンコウ。
前走根岸ステークスで初めて1400mに挑戦。さすがに忙しかったか、後方から追走するのに手一杯といった感じだったが終いは上がり2位タイの脚を使って6着まで追い込んだ。
最近は1800mで少し足りない競馬が続いていたし、一昨年のジュライステークスで小回りの福島1700mでメイショウハリオを5馬身突き放して勝利した実績がある点も踏まえると1600mくらいの距離があっているという可能性も充分ある。
このところは後方一辺倒の競馬が多いがかつては中団や好位で運べていたし、1400mの前走ほどは追走に苦労しないのではないか。
良馬場で、ある程度の位置で溜めがきけば面白い。
ソリストサンダー。
もともと東京1600mは得意で、一昨年は武蔵野ステークスを勝っているし昨年の当レースも馬場も展開も不向きな中で4着。
一昨年のフェブラリーステークスは凡走だったが太目残りも敗因の1つだったと思う。
根岸ステークスを1度使ってからここに参戦する予定がアクシデントでぶっつけになってしまい間隔があいてしまったのはマイナス材料だが、少し上がりがかかるパサついたダートで差し脚を活かす競馬は合っている印象なのでその条件に当てはまればまだ見限れない。
レッドルゼル。
3年連続の参戦。
過去2年とも会見で川田さんが「この馬には1600mは長い」とキッパリ言い放っているので強気には押しづらいが、昨年の当レースは馬場も展開もこの馬には完全に不向きだったもの。
正直、メンバーのレベルは過去2年に比べると落ちる感じなので乾いたダートなら差し脚を活かせる場面があっても驚けない。
アドマイヤルプス。
休養前と休養後で別馬のような戦績。
休養明けの直近3戦は全く見せ場がないが、いずれも高速決着がアダとなった可能性がある。
前走根岸ステークスではスタートで少し後手を踏んだのも痛かった。
敗因には精神的なものもあるかもしれないのであまり強気にはなれないが、ある程度乾いたダートならアハルテケステークス以前の走りを見直せるかもしれない。穴で一考。
他にも未知なる外国馬や地方馬、別カテゴリーで実績のあるメイショウハリオなどもいて難しいメンバー。
この後の天候に注目しながら絞っていきたい。
結局雨が降らずに土曜日の傾向のままなら、昨年とは全く違うレースになるかもしれない。
ギルテッドミラーが無事だったなら、たとえ1番人気だろうと軸として信頼だったのだが…。
勝負気配「C」としときます。