第71回安田記念。
Cコース使用の東京芝コースは先週あたりから内めが荒れて各馬直線は外に進路を取る形が多くなっている。
土曜日のレースを見ると、最後の直線で早めに走りやすいところを取れた先行~好位の馬が上位に来るケースが目立った。
レース当日には多少の降雨がある予報だが、
よほどのことがない限りは極端な馬場悪化はないだろう。
トーラスジェミニがハナに拘るタイプなのでペースも流れそう。
発表は稍重程度で時計も良馬場並みに速くなるだろう。
グランアレグリア。
今シーズン3戦目で更に前走から中2週と、
昨年までなら考えられない使われ方。
3歳春に桜花賞から中3週でNHKマイルカップを使って敗れており、懸念する声もあるが
気性が落ち着いた今なら間隔を詰めても問題ないと判断されての参戦だと思う。
稍重発表でも時計の速い馬場状態だった昨年の当レースでアーモンドアイ以下を寄せ付けず圧勝。
重発表の高松宮記念でも好走しているので、大阪杯の時のような極端な道悪でなければ雨を理由に割り引く必要はない。
一応天候と当日のテンションには注意を払いたいが、基本的には逆らわないのが妥当。
サリオス。
前走大阪杯は道悪で各馬外に進路を取る中で敢えて最内の経済コースを選択。
勝負根性もこの馬の持ち味なので結果的に外の馬に馬体を併せにいった方がよかったのかもしれないが、内枠を活かすならあの形という判断でもあっただろうしどちらにせよ難しいレースになってしまった。
前々走のマイルCSも大外枠から出遅れ、ペースも落ち着いてしまい厳しいレースだった。
ここ2戦は枠順、展開、馬場状態などいろいろ噛み合わず不完全燃焼のレースになってしまっている。
朝日杯FSや毎日王冠の内容からも力があるのは間違いないし1600mもベスト。
馬場の内めが荒れているコンディションでの最内枠に入り捌きが課題になるが、好位で運ぶ本来の形から直線でうまく馬場のいいところに持ち出して有力馬に馬体を併せられれば過去2走のようなことはない。
何とか本来の実力を見せたいところ。
インディチャンプ。
スプリント路線に転向したがここ3戦で未勝利。
ここで再びマイル路線に復帰ということで、一度スプリント仕様にしてからのマイルへの対応はカギになりそう。
最近ではレシステンシアもこのパターンで敗れており嫌なイメージはある。
とは言え、実績は断然でやはり1600mがベストには違いない。
一昨年の安田記念を勝利しているが、着差を考えればアーモンドアイが不利を受けていなければ結果は変わっていたかもしれない。
昨年の安田記念が3着。アーモンドアイに逆転され、勝ち馬グランアレグリアは更にその遥か前方。
昨年のマイルCSは福永さんの完璧な騎乗で
グランアレグリアをブロックし追い出しを遅らせることに成功したがそれでも上を行かれた。
スプリントに転向していたことで、追走が楽になってプラスに影響するのかペースの違いに戸惑ってマイナスに影響するのかわからない点。
これまでの力関係とレース内容からグランアレグリアを逆転するところまで行けるかどうかという点から、上位安定勢力ではあるが頭までは厳しいと見る。
ダノンプレミアム。
国内のレースではほとんど崩れたことがないのに安田記念だけは大敗する馬。
このレースに呪われているとしか言い様がない(苦笑)
一昨年はスタートの不利でまともに走れなかったし、昨年は泥んこ馬場でのオーストラリアG1を使った直後で状態ひと息だった。
間隔を詰めて使うと成績を落とす傾向も変わっておらず、今回は過去2年と違い昨年末からしっかり間隔をとって万全を期す。
少頭数だが大外枠だった昨年の天皇賞(秋)は思い切ってハナに立ち、淡々としたペースで逃げを打った。
ラスト1ハロンまで先頭だったが最後に失速したあたり、やはり2000mだと若干長く1600mがベスト。
昨年のオーストラリアG1のQESでも酷い不良馬場でマクドナルドの酷い騎乗の中で3着なら低レベルなレースとは言え一応格好はつけた形。
極端な道悪でさえなければ、降雨の予報は
むしろこの馬にとって追い風かもしれない。
今回はトーラスジェミニが何がなんでもハナを主張してくるだろうし、逃げに拘ることなくゲートを出たなりで運んで今度こそ安田記念好走を果たす。
シュネルマイスター。
3歳の安田記念挑戦そのものが前例が少なく、リアルインパクトが勝利してはいるものの当時の古馬のレベルと今回のレベルを比べればやはり3歳馬は厳しいと見るのが妥当か。
欧州血統なので馬場が渋って少しでも時計がかかればそれが向くかもしれないという点と、
トーラスジェミニが引っ張る形ならこの馬の差し脚が活きる流れになるかもしれないという点に望みを繋ぎたい。
ケイデンスコール。
長く低迷していたがここにきての良化が著しい。
左回り1600mは得意とは言え、内しか伸びない極端な馬場で上手く乗られて勝利した京都金杯。
続く中山記念で小回りコースと右回りも克服。
前走マイラーズカップは課題だった高速時計にもしっかり対応できた。
一昨年のNHKマイルカップでアドマイヤマーズの2着に来ており、もともと素質は見込まれていた馬。
今回は一気の相手強化で厳しくなるのは確かだが、そのNHKマイルカップの時と同じように外が伸びやすいコンディションを味方にどこまで迫れるか。
難しい割に配当はそこまで見込めないレースという印象で、馬券的には微妙。
勝負気配は「D」とする。
ダノンプレミアムとダノンキングリーの鞍上が逆だった方がしっくりきたのに…などと思ってしまう(笑)