第62回宝塚記念。
今の阪神芝コースは最終週と言っても時計は
速め。
少し外からの差しが決まり始めており、土曜夜から少し降雨があるようなのでその影響で
日曜にどう変遷するかに注目したい。
クロノジェネシス。
前走ドバイシーマクラシックは2着に敗れたが、マーフィーさんのKY騎乗もありラヴズオンリーユーと日本馬同士で潰し合いのような結果になってしまう不運があった。
最後は狭いところから伸びて力は見せた。
昨年の当レースが午後からの雨で急激に馬場が悪化した中で、2着のキセキ以下を全く寄せ付けず6馬身差の圧勝。
馬場状態を問わないタイプで、どこに行っても主役候補になれる存在。
手頃な頭数だがレイパパレとユニコーンライオンが引っ張る流れならスローの瞬発力勝負にはなりそうもなく、ここも底力を信頼。
カレンブーケドール。
安定感はあるが昨年のジャパンカップが4着で有馬記念が5着と、超一線級が相手になると馬券圏内を外しておりそのあたりは少し不安。
しかしコントレイルもデアリングタクトも回避してしまった今回のメンバーならチャンス充分だろう。
「勝ちたくない馬」とまで揶揄されているが上位安定勢力なのは疑いようがない。
いつも上手く好位が取れるし、ペースが速くなったジャパンカップでは差す競馬も見せた。
どんな競馬にも対応できるし道悪も苦にするタイプではない。
大崩れは考えにくく、とにかくもうひと押しきくかが課題。
キセキ。
毎度毎度悩まされる馬だが、今回は買えるのではないか。
今年に入ってからの2戦、レース内容が良化している。
金鯱賞ではまたまたゲートの出が今ひとつで、後方に置かれたが最後は脚を使えていた。
前走香港のQE2世カップはラヴズオンリーユーとグローリーヴェイズとデアリングタクトが上位を独占した中での4着。
2000mでの少頭数の瞬発力勝負となりこの馬には不向きだったが、それなりに対応できたのは収穫だったと思う。
もちろん、近走が少々良化したからと言って
ゲートや折り合いの不安が解消されるわけではなく常について回る問題である。
だが今回、手頃な頭数でのこの大外枠というのはこの馬にとってプラスに働くと見る。
ゲートはまた遅いかもしれないが、ゲートを出ようが出まいが内の馬と距離をとりながらポツンと1頭でジワジワ進めていく形で折り合いをつけやすそう。
スタートから最初の直線が長い阪神内回り2200mの大外枠という条件でゲートと折り合いの不安をカバーできる可能性は充分。
福永さんの手腕にも期待したい。
レイパパレ。
前走の圧倒的な強さは、この馬の道悪適性の高さもあった。
川田Jもレース後に語っていたが、馬格がない馬の方が却って道悪はいいケースもあるということなのだろう。
下が柔らかくなれば脚を取られるので、その時に馬格がある方がより深く沈むしそこから脚を上げるのにもより強い力が必要になるというものである。
レイパパレ自身の血統面からも行きたがる癖が完全に解消されるとは考えにくいし距離は2000mがギリギリなのでは。
良馬場の2200mなら、ここはもう一度疑ってみようと思う。
菊花賞2着馬だが、ここ2走の内容からはやはり3000mになると長い。
阪神大賞典の敗因も馬場より距離だと思っている。
陣営が語るほど道悪がダメなタイプには見えないので、むしろパンパン良馬場よりは少し時計のかかる2200mの方が向く。
ただ、今年既に4戦目で上積みまではどうか。
ここに来て現4歳世代の牡馬のレベルも疑わしくなってきた。
押さえまでの評価が妥当。
モズベッロ。
道悪への適性はメンバー随一。
今回も雨が強まるなら人気になってもこの馬は買いで仕方ないかと思っていたが、どうやらそこまで馬場が悪化しなさそうな予報。
陣営は良馬場の方がいいとコメントしているが、他のメンバーも良馬場だと割り引きになりそうなのはレイパパレぐらい。
やはり道悪でこそのモズベッロだと思う。
昨年の当レースも今年の大阪杯も突然の豪雨で急激に馬場が悪化したので、その再来を願う。
コントレイルとデアリングタクトの回避により、少し寂しいメンバーになってしまったがこればかりは仕方ない。
外枠は不利にならずむしろ有利という見方もできる点と、あとは天候の変化に気を配りながら今回の勝負気配は「D」とする。