sphalt’s blog

馬券下手なオッサンのブログ。気まぐれで雑記もある…かも?

ジャパンカップ 2020

第40回ジャパンカップ
先週に引き続きCコース使用だが、やはり今の東京は開催前半から雨が多かった影響で馬場が荒れ気味。

芝のレースは各馬とも勝負所では内を開けて馬場のいい外めを通るシーンが目立つ。
土曜の芝のレースを見ると、内枠の場合は脚質どうこうよりもいかにうまくラチから数頭分の馬場のいいギリギリのところを
突けるかがポイントになりそう。
それ以上内を通ると荒れた所を走らされるし、かと言ってあまり外に持ち出し過ぎると内枠のメリットが死んでしまう。
メインレースの横山和生Jの騎乗や、最終レースのルメールJと戸崎Jの騎乗がそのギリギリのところをうまく突いたレースだった。

東京2400で行われるジャパンカップとダービーは例年内枠が有利で、特に1枠はラッキーナンバーと言われるほど相性も抜群なのだが
今年に関しては単純に内枠断然有利とは言えない。
その辺りを踏まえて予想を組み立てたい。



まずはデアリングタクト。
勝利した3冠レースの中で最も強さを感じたのが
今回と同じ東京2400のオークス
世代レベルや相手関係は怪しいが、スローの前残りのレースを自身はロスがありながら差し切ったのだから上がり3Fがレース史上最速だったのも頷ける。
単純比較はできないものの、数字だけならブエナビスタジェンティルドンナやアーモンドアイよりも速い末脚を繰り出したということになる。


前走秋華賞はぶっつけ本番で臨んだが、もし負けていたら「あ~あ。だからローズステークス使っとけばよかったのに」などと
批判されるリスクもあった。しかし、叩き台のようなレース内容で危なげなく勝利。
早い段階からここへの挑戦を見越していたのだろう。今回は当然上積みを見込んでいい。

道悪も荒れ馬場も全く苦にしないし、外伸び傾向の今の東京の馬場はむしろプラス。
おそらくスローペースになるだろうし、
序盤は後方で我慢させて最後は外から末脚にかけるレースでいいだろう。

ジェンティルドンナやアーモンドアイが同じく3歳時にジャパンカップに出走して勝利。
3歳牝馬ジャパンカップ挑戦例には、ミッキークイーンとかハープスターとかソウルスターリングとかビッシュなどの黒歴史もあるが
デニムアンドルビーでも2着に来ているし昨年もカレンブーケドールが2着。
やはり斤量53キロは有利。

斤量、臨戦過程、自身の脚質と馬場状態のマッチングなど追い風になる要素が多い。
本質的にはもう少し短い距離の方がいいのかもしれないが、オークスと同じ舞台なら力を出せる。
ここは中心視。


コントレイルも当然外せない。
デアリングタクトと違ってこの馬の場合は神戸新聞杯を使ってから本番の菊花賞参戦だった。
やはりこの秋の大目標は3冠であり、菊花賞がメイチの仕上げだったのは間違いないだろう。
その菊花賞の内容は、適性より長い距離のレースを能力で勝ち切ったというもの。

全力を出し切ったあと、更に中4週でジャパンカップなので常識的に考えてきつい臨戦過程。
ただ、常識が通用するくらいならそもそも無敗の3冠馬にはなっていないだろう。
出てくる以上は大きく評価を下げるわけにはいかない。

2400への距離短縮は当然歓迎材料。
この馬のキャリアの中でも特に他馬を圧倒する勝ち方だったのが東京での2戦なのでコースもベスト。

枠の並びを見ても、カレンブーケドールとアーモンドアイを見ながら好位で運びやすそう。
もともとレースが巧いタイプでもあり、仮に負けるにしても自分より前にいる馬を捕らえ損ねて負けるシーンは想像しづらい。



グローリーヴェイズ。
レイクヴィラファームの生産で馬主はシルクレーシング
レイクヴィラファームは解散した旧メジロ牧場を引き継ぐ形でスタートし、ノーザンファームの支援を受けている。
シルクレーシングノーザンファームの息がかかるようになってから躍進したクラブ。
同世代のアーモンドアイの馬主でもある。

おそらく他のノーザン系の有力馬より
使い分けにおける優先順位が低かったのだろう。
関東所属なのに東京で走ったことがなく、
関西でのレースが多いのもそう考えれば合点がいく。

アーモンドアイがG1勝利数の新記録を達成し、
ここで引退するのが正式に決まったことでようやく
関東圏のG1に使えるようになった。

菊花賞5着と天皇賞春2着の実績があり長距離をこなしてはいるが、ベストは4戦3勝の2400だろう。

東京コースは初めてだが、3歳時とはいえ新潟で
3勝クラスを危なげなく勝っているので左回り自体は特に問題ない。
むしろパンパンの高速馬場でない今の東京は
最も適している可能性まである。

大外枠に入り、一昨年のような馬場なら詰みだが
今の東京ならそこまでマイナスにもならない。

実績面でも昨年の香港ヴァーズ勝ちが光る。
2着のラッキーライラックを寄せ付けない完勝で
力は充分足りている。
決して相手に恵まれていたわけではない。

あの時はモレイラの神騎乗のおかげというのもあったので、さすがにそれに比べると鞍上弱体化と
言わざるを得ないが不満ばかり述べてもしょうがない。。

使い分けの弊害で乗り替わりの多い馬なので、
継続騎乗になる点を前向きに捉えることにする。
短期免許外国人がいない現状においてはベストの選択だった。
…と思いたい(苦笑)


ユーキャンスマイル。
菊花賞3着に阪神大賞典勝ちの実績。
適性は長距離だが2400あれば足りるだろう。
もともと右回りより左回りの方がいい馬で、
G1で躍進があるとしたらもうこの舞台しか有り得ないと陣営も認めている。

前走アルゼンチン共和国杯がいかにも物足りないが
外から押し込められてうまく外めに出せなかったのも敗因の1つ。
レース後になぜか無関係の戸崎さんに愚痴ってる
岩田さんの姿が印象的だった。
迷惑な奴っちゃ(笑)

過度な期待はできないが、道悪に泣かされた昨年の当レースよりは内めが荒れ気味の良馬場の今年の方が条件は好転する。
うまく差し脚を活かせれば食い込みがあるかも。


キセキ。
毎回述べているが、やはりゲートが不安定なのが
ネックで信用に値しない。

前走は比較的マシなスタートだったが、あのスローペースで番手の競馬では持ち味が出ないだろう。

今回はトーラスジェミニが玉砕覚悟の逃げを打つだろうからその2番手で早めに立ち回る、或いはトーラスジェミニがもたついていた場合は途中からでも
ハナを奪い荒れ馬場でのスタミナ勝負に持ち込めれば面白いのではないかと思う。

東京2400に相性のいいルーラーシップ産駒ということもあって見限れない面がある。

しかしそれも全てはゲート次第。スタートした瞬間にレース終了という危険性を常に孕んでいる。
本当に困った奴である…。



レンブーケドール。
重賞未勝利ながら、強敵相手に何度も善戦しており
実績は充分。
2年連続で1枠1番を引き、本来なら大きくプラスととらえるところだが今年は何とも言えない。

ただ、この馬のこれまでのレースぶりを見ると
先行力もあるし取り口が安定している。

先行し、いち早く内ラチ沿いからギリギリ馬場のいいところを取れれば充分チャンスがある。

しかし穿った見方をすれば、同じ厩舎のアーモンドアイが隣に入ったことでそのギリギリの所から更に1頭分空けてアーモンドアイのスペースを作ってあげるといったような作戦もあるかもしれない。

どちらにしても、コントレイルに早めに捕まえに来られると厳しい展開になるかもしれないがそれでもこの馬の粘りには一定の警戒は必要。


さてアーモンドアイ。
この馬が来ない理由を、大きく分けて
今から3つ述べる。

その1 距離。

これが最も大きな理由である。
今のアーモンドアイに2400は長い。

昨年の有馬記念の敗因がいろいろ言われていて、
スタンド前でかかり気味になって消耗してしまったとか中山コースも全く合わなかったとか。
なので力を出せていない、走れていないということなのだろう。

確かに着順やラップタイムだけ見ればそうなのかもしれないが、レース映像を見ると直線向いたところで一旦は先頭に並びかけるかの場面を作っている。

全く伸びなかったのではなく、一旦伸びかけたが
ラスト1ハロンでバタっと失速したと言うべき。
最後は内にモタれてまともに追うことすらできなかった。

これはもう距離の壁だと結論づけた。
1600~2000くらいが適性の馬。
陣営もそれを判断したからこそ、昨年の明け4歳のドバイ遠征でシーマクラシックという選択肢もあった中で1800のドバイターフを選んだのである。


その2 馬場状態と枠順。


先述の距離の話ともリンクするのだが、今の東京の馬場状態ならまともに距離適性が求められる。

3歳時にジャパンカップを驚異的なレコードで勝っているが、「コンクリート2400メートル」とか揶揄されるほどの超高速馬場。

キセキが飛ばしていったにも関わらず結局前残りだったし、アーモンドアイ自身も最内枠から内ピッタリを回って1着で駆け抜けた。
完全にスピード偏重で距離適性はある程度誤魔化せるというレースだった。

当時と今とでは馬場状態が全く違う。
今の馬場で内枠から2400ピッタリを回るレースを
しても勝ち目はない。

今回は有馬記念と違って得意の東京だが、それでもラスト100~200メートルくらいで微妙に伸びあぐねるだろう。カレンブーケドールのアシストがあったとしても厳しい。


その3 2019年と2020年の天皇賞秋の内容比較から…。


昨年の天皇賞秋は内枠から勝利。
逃げていたアエロリットが直線入ってなぜか内ラチ沿い1頭分を空けて走るという意図してかどうかわからない謎アシストのおかげで内ピッタリを回れた恩恵もあった。

それにしても圧勝で、他馬との実力差とデキのよさを感じた。

今年の天皇賞秋は抜け出す脚が速すぎて1頭になった分少し気を抜いたのか、昨年と比べると後続に
詰め寄られて僅差での勝利。

さすがに差されそうな感じはなかったが最後止まった印象も拭えない。

更に、2着フィエールマンで3着がクロノジェネシスだったのだがこの2頭か不利を受けている。
スタート直後、5番のウインブライトが外にヨレ
8番のキセキが内にヨレたことで7番のクロノジェネシスと6番のフィエールマンがそれに挟まれて位置を下げさせられてしまった。

この点には福永Jも北村Jも、東京2000はスタートしてすぐコーナーだからある程度仕方ないとしながらも痛い不利だったと述懐している。
着差が着差だけに勿体ないというのが本音だろう。

昨年の安田記念ではアーモンドアイを潰した武豊が今度はアーモンドアイをアシストする形になったのは何とも皮肉である。(勿論、わざとではないのは承知している)


まとめると、昨年の天皇賞秋は仮にアエロリットの謎アシストがなかったとしてもせいぜい着差が縮んだくらいで勝ちは揺るがなかったと思うのだが
今年の天皇賞秋はキセキとウインブライトの間接アシストがなかったら危なかったのではないかと思う。

天皇賞秋を連覇しているものの、今はもう昨年秋のようなデキにはない。衰えは否めない。


おまけ 3冠馬対決は…。

サンプルが少ない上に時代も違うので本当におまけ程度のデータだが、これまで3冠馬同士の対決では
全て後輩の3冠馬が先着している。
ならば今回も…。



ということで、デアリングタクトとコントレイルとグローリーヴェイズを買うのは決定。
アーモンドアイを買わないのも決定。

あとはキセキとユーキャンスマイルとカレンブーケドールの扱いだけである。

Good luck!