第64回有馬記念。
まだ天候がはっきりしない状況だがレース時点まではそんなに降雨はなさそう。
先週のターコイズステークスやディセンバ―ステークスの傾向のままなら
高速馬場に近い感じで、まさしくアーモンドアイ仕様か。
馬場状態の判断は明日のグッドラックハンデとノエル賞をしっかり確認したいところ。
その9レースのノエル賞から次に芝コースを使う有馬記念まで1時間以上ある。
もしノエル賞直後に天候が急変とかいう事態になると判断が難しくなるのでそうなってほしくないな、と思っている。
断然人気のアーモンドアイ。
極端な枠でなければどこでもいいと陣営はコメントしていたので、この枠なら
中団あたりから捲り気味に進出するようなイメージのレースができそう。
良馬場がいいのは間違いないが、明け3歳時で弱い相手のレースとはいえ道悪のシンザン記念を圧勝しているので少々の渋化くらいなら大きく割り引かなくても大丈夫なのではないか。
右回りは昨年の秋華賞以来で、その時が東京でのレースに比べるとやや手こずっていた印象。小回りのコースで少し届かず差し損ねるケースはあるかもしれない。
敢えて粗を探すとすればそれくらいだろう。自身より同じくらいの位置、あるいは後ろの位置の馬に差される可能性は低い。
ヴェロックス。
枠順抽選は非常に残念な結果だった。出走が16頭に達したフルゲートの有馬記念では
7枠と8枠の戦績は最悪。過去10年で7枠が(1.0.3.17)、8枠が(0.0.1.19)。
7枠の1着1回と3着2回は一見悪くなさそうにも思えるが、これらの成績は全てゴールドシップのもの。特殊な例と考えた方がいい。
8枠も昨年シュヴァルグランが3着に入ったが、フルゲートの有馬記念では20年超ぶりのことだった。
やはりコーナー6回のコースで外を回らされる不利は大きいのだろう。
以上ですサヨウナラ…
…と言いたいところだがやっぱりそういうワケには行かない。
ワイド9-14が妙に売れているのを見るに、自分も含めまだ見捨てていないファンも多いようだ。
ヴェロックスがこれまで強さを見せたのは小倉と阪神内回りと中山。
中山の皐月賞は敗れたが着差を見ればやはり不利が痛かった。小回りコースの適性は高い。
前走の菊花賞はスタートして間もなくコーナーがある京都3000で外枠だったが、
うまく内めに潜り込んでソツなく立ち回れていた。
3着に敗れた要因は結果的に少し距離が長かったこともあるが、それ以上に展開と自身の立場にあったのではないか。
1番人気だったこの馬を目標にタガノディアマンテとホウオウサーベルが早めに捲って外から被せてくる形になり、進路を失わないようそれに連れて早めに外に動いて行った。内枠スタートからそのままじっと溜めることができていた勝ち馬のワールドプレミアにとっては、外の各馬が早めに動いてくれたことで進路もスムーズに開き絶好の展開になった。2着のサトノルークスもタガノとホウオウの1列後ろで運んでいたので仕掛けはしやすかっただろう。
いったんこの2頭に完全に前に出られたが、そこからまたじわじわと盛り返し気味に伸びていたので強さは見せている。
スピードと瞬発力より底力と持久力が求められるレースの方が向く。
アエロリットとキセキがいる今回のメンバーだとそういった流れになりそう。
もし道悪になっても他が苦にするならこの馬にはプラス。
ちなみにアーモンドアイー川田のラインなんていうのがネット上などで話題になっているがこれを解説しておくと、アーモンドアイは国内でG1を5勝しておりその5度のレースでの川田Jの成績が(0.4.1.0)というもの。
4頭の馬に騎乗しての成績であり、ジェンティルドンナ→ヴィルシーナとかテイエムオペラオー→メイショウドトウみたいに毎回同じ馬同じ騎手の組み合わせというワケでもない。今回もアーモンドアイが勝つと思うなら…ということである。
宝塚記念の結果は着差を見ても1~5着までは力通りに決まったレースだと思っている。
当然ここでも力上位。
3月の金鯱賞でダノンプレミアムに完敗している結果を物差しにすればアーモンドアイとの力関係は不利にも思えるが、こちらは小回りも道悪も経験豊富でコースや馬場状態に不安はない。道悪は他が苦にするならむしろプラス。
陣営もその点で逆転を見込んでいるのだろう。
リスグラシュー、レーンJともに中山が初めてというのが割引材料と見られている。
しかし前走のオーストラリアのG1コックスプレートが行われたムーニーバレー競馬場のコースはコーナーからのスタートで道中も小回りで直線もかなり短いという形態。
日本国内の競馬場で例えるのが難しいのだが、無理やり例えるとすればスタート直後は東京2000で道中はアップダウンが加わった小倉で最後の直線は園田というイメージである。
これで伝わるかどうか知らんけどww
こんなコースのレースで外目の枠から外を回り、捲って差し切り。
2着馬の斤量は49キロで自身は57キロを背負っていた。メンバー自体のレベルは
正直???だが圧倒的な勝ちぶりと言っていい。
オーストラリアの競馬場は他の会場でもスタートしてすぐコーナーのコースがあったり最終コーナーをほぼ直角に曲がるL字型のコースがあったり、ヨーロッパやアメリカに負けず劣らずトリッキーなコースが多い。
広々として特にクセもないと感じられるのはメルボルンカップが行われるフレミントンくらいのもの。
コースのレイアウトを決める際に自然の地形をそのまま利用する形で作ったか、
もしくはあまり細かいことまで気にせずに作ったかのどちらかだろう。
(オーストラリア人=適当と言いたいわけではない)
とにかく、そんな環境で腕を磨いてのし上がってきたレーンならあっさり適応しても全く不思議はない。有馬記念の前に8レースのグッドラックハンデに騎乗予定があり、一応そこで本番と同じ芝2500のコースを経験できる御膳立てはされている。
なので、人馬ともに中山が初めてというのはそれほど評価を下げる理由にならないと思っている。
調教後の馬体重が大幅に増えているのだけが少し引っかかるが、問題はないと見たい。
キセキ。
正直、川田が乗らないなら3歳時に騎乗して結果を出しているデムーロとのコンビ復活でよかったのでは、と思う。やっぱりG1では徹底的に締め出しにかかっている。
ムーアが悪いわけではなくキセキとムーアが合うかどうかが微妙。
逃げのイメージがない騎手だけにどんなレース運びになるのか…。
ただ、アエロリットが8枠に入った。ちょうど昨年の有馬記念でのキセキのように、
控えても味がないから多少の距離ロスは覚悟の上で向こう正面までには先手を取り切るレースをしてくるのではないか。となると自身は番手で追いかけて緩みない流れを作れるはず。
鞍上の問題もあって出方が読めない部分は付き纏うが渋太さを活かすレースができればやはり軽くは扱えない。
持ち時計も速いので馬場状態は問わないだろうが、ドロドロの不良馬場だった菊花賞を快勝しているので道悪になれば更にいいだろう。
そんなに雨は降らないだろうがある程度天気はグズつく予報であること。そして有馬記念までに行われる芝のレースが21日が5つ、当日が4つと多いのを踏まえて少し芝が荒れて先週よりは時計がかかり気味になってくることを見込んでいる。
それ前提ならここまでに挙げた4頭を馬券の中心にしたいと思っている。
7枠に入ってしまったので手を出しづらいが、本格的な道悪にまでなればアルアインも検討対象になる感じ。
フィエールマン。
先週のターコイズステークスを見た時、今すぐ有馬記念をやるならアーモンドアイとこの馬かなと思った。高速馬場での決め手は確かで距離に不安もない。
札幌記念が少し距離不足の感もあり3着。AJCCもマーフィーにうまく乗られ、メートルダールに外からブロックされた分仕掛け遅れた感もあるが2着。小回りコースでは取りこぼしもありそこの克服は課題になる。
前走凱旋門賞が道中から手応えが怪しかったので追うところもほとんどなく
ダントツの最下位。状態が不安視されるが、当時の時点ではルメールが有馬記念も乗る予定だったのだから先のことを考えてレースで無理をさせなかったのだと思う。
中間はいつもの天栄仕様。仕上がりに関しては問題ないと見る。
有馬記念当日が先週のような馬場状態であれば巻き返してくるだろう。
個人的には、池添さんはもう今年すでにマイルCSで代打ホームランを決めているので
2発目はないんじゃないかという気がしているが…。
サートゥルナーリア。
ダービーと天皇賞(秋)の敗因が左回りがダメなのか使える脚が一瞬だから東京が向かないのか、或いは距離なのか今回ではっきりしそう。
一瞬の切れが身上だからスローペース専門という説に関しては、天皇賞(秋)もそれほどペースは速くなかったのにあっさり伸び負けたのでそれが理由というワケでもない気がする。
ダービーを見ると、ラスト2ハロンの地点からはグッと伸びて前を捕らえるか!?くらいの脚色を見せたにも関わらずゴール前でバタっと止まってヴェロックスに差し返されたばかりか危うくニシノデイジーにまで交わされそうになっていた。
あれを見るとやっぱり距離の壁がありそう。
今回は神戸新聞杯のような楽な流れにもなりそうにないので厳しい。
良馬場であっても押さえまでか。
ただ、どんな条件になろうが来られたら来られたで
「中山の鬼だった!」であっさり片付くので今回のメンバーの中ではギャンブルという視点では最も面白い存在だろう。
今年のジャパンカップ勝ち馬のスワーヴリチャード。
好枠を引いてマーフィー継続騎乗。道悪も苦にしないということでいいことずくめに思えなくもない。
しかし右回りもこなしてはいるもののやっぱりベストは東京で、中山の成績は(0.0.0.3)なので割引材料。
それより更に問題なのが力関係。リスグラシューの項でも触れたが、今年の宝塚記念は
みんなが力を出し切った上でその時点での実力通りに決まったレースだと思っている。
昨年の天皇賞(秋)とジャパンカップ、そして今年の宝塚記念と天皇賞(秋)の結果と内容を見るにアーモンドアイとリスグラシューとキセキを逆転するのは相当難しい。
前走のジャパンカップではこれら3頭に加え3歳牡馬クラシック勢も不在だった。
「空き巣」とか呼ばれている原因はそれである。
ワールドプレミア。
ヴェロックスの項でも触れたが、菊花賞はかなり恵まれた面がありこの馬が3歳世代の中で抜けた力を持っていると断言するのはまだ早い。
それは武豊本人もはっきり認めている。
この馬のオーナーは武豊に憧れてかつて騎手を目指したという経歴を持つ人物であり、武豊に心酔している。そして友道調教師に「ユタカさんでクラシックを勝ちたいので断られるまではずっとユタカさんを乗せてください」と頼み込んでいたとのこと。
それで本当にクラシックを勝ってしまうのだから恐れ入るが、そうした経緯から
この馬に関しては忖度なしで本音の武豊の辛口コメントが聞けるのが面白い。
武豊本人が言うように今回は関東への輸送も初で相手も強いのでうまくレースを運んで
どこまでやれるか、というところ。
距離に不安はなく、有馬記念は菊花賞組が好相性なのでそこに期待する手はある。
陣営のコメントをどこまで信じ、どこまで重要視していいかの判断が難しいのはどのレースのどの馬でもそうなのだが、ワールドプレミアに関しては全てをありのまま額面通りに受け取ることにしている。
だって騎手が馬主や調教師の顔色を伺う必要がないのだから(笑)
エタリオウ。
ジャパンカップでがっつり買って、負けはしたが内容には納得している。
いつもとは違う先行策で見せ場を作り、最後は伸び負けた格好。
結果的に道悪はよくなかったのだろう。今回はできれば良馬場でやりたいところ。
とにかく気ムラな馬のようで、いつも調教師が口にするのは「この馬はとにかくやる気スイッチが入るかどうかが問題」ということ。そういう意味では前走で久々にやる気スイッチが入ったのではないか。菊花賞でフィエールマンとハナ差の2着。ダービーは追い込み馬には絶望的な展開と馬場の中で4着。実力を出せればG1で通用しても全然おかしくない。
あとは馬主と調教師はあまり触れないが乗ってる人のやる気スイッチの問題。
実はこっちの方が馬より不安だったりするのだが、先日の公開抽選会で2枠3番を引き当てニンマリとした表情で「非常にイイ!」と噛みしめるように言ったあの瞬間にやる気スイッチが入った音が聞こえたので大丈夫だろう。空耳かも知れないが…(苦笑)
有馬記念は相性が最悪で、かれこれ15年当たっていない。
最後に当たった記憶がゼンノロブロイとシルクフェイマスの2頭軸で買った時なので
ずっと逆神ぶりを発揮している。なので今回は別の意味で予想の参考にしてみて下さいww