この府中開催は降雨が少なく今週もほとんど雨が降っていない。
ダートは乾燥して時計を要し上がりもかかるコンディション。
先週も稍重発表ながらその傾向は変わらず外からの差し追い込みも決まっていた。
予報を見る限りは特に天候が荒れることもなさそうで、ダートの傾向は先週から大きく変わるとは考えにくい。
一昨年のように、1分33秒台の高速決着である程度先行できないと厳しいというレースにはならないだろう。
昨年のフェブラリーステークスがレース当週中は雨の予報もあったものの結局降雨はなくダートは乾燥して1分35秒台の決着。
勝ち馬のレモンポップはそもそも力が上だったとして、2着馬と3着馬は外からの追い込みだった。特に3着馬のメイショウハリオはいくら実力馬とは言え絶望的な出遅れから大外一気で間に合ったという内容。
やはり乾燥して時計、上がりともかかるコンディションの東京ダート1600mなら長く脚を使える差し追い込みタイプが向く。
馬場のイメージは一昨年より昨年の方が近いということを踏まえて予想を組み立てたい。
狙いは⑩タガノビューティー。
左回りのダート1400m~1600mは得意で、特に東京はベストと言える。
戦績にムラがあるのは脚質の面である程度仕方ないところ。
前走の根岸ステークスはそれを考慮しても負け過ぎの感はあるが、自身出遅れた上に
前の組は隊列がすんなりと決まってスローペースになったのでどうしようもなかった。
度外視とまではいかないまでも、あれが実力ではない。
その根岸ステークスから中2週だが当時より今の馬場の方が向く。
また、短距離で逃げて勝ってきているドンフランキーがレースを引っ張りイグナイターも先行態勢が見込まれるので流れが極端に遅くなることはないだろう。
昨年の根岸ステークスは4着だが、明らかにメンバーレベルが高かったし昨年の武蔵野ステークスもドライスタウトの2着。
これまで戦ってきた相手を考慮すれば今回のメンバーなら上位に来られる力がある。
馬場や展開も「ハマる」とまではいかずとも前走のような最悪のシチュエーションは
避けられるはず。
馬券はここから入りたい。
⑤オメガギネス。
除外対象だったのでこの馬が出走の可否はある意味レースそのものより注目だった。
ただ、早い段階でルメールさんを確保していたようだしサンライズホークとシャマルが別のレースに回ることも陣営はある程度リサーチ済だったのかもしれない。
昨年のグリーンチャンネルカップは雨で時計が速くなったのが向いたとはいえ今回と同じ東京ダート1600mで圧勝。
デビュー2戦目は時計を要するコンディションの中山1800mで勝っていて馬場は不問。
しかもこの時は出遅れて位置を悪くしてしまい、レースとしては完全に2着馬が逃げ切って勝つパターン。それを直線だけで差し切ったのだからかなり強い競馬だった。
通算(3.2.0.0)で2着に惜敗したのは2回とも1800mだった。少し力んで走っているようなところもあったし、1600mの方が向く可能性が高い。
あまりゲートが速くなく、毎回出遅れ気味なのでそこが不安だがあのお方からこのお方に乗り替わるのだから何とかしてくれると信じたい。
実績的には格下だが上位評価は当然。
⑭ウィルソンテソーロ。
過去1年の戦績とレース内容を改めて振り返るとチャンピオンズカップで12番人気だったのが信じられない馬。
その前々走のチャンピオンズカップは出遅れたが腹を括って終いに賭ける競馬で2着。
前走の東京大賞典は11月のJBCクラシックで大井の特殊な砂にアジャストしきれず敗れた反省から思い切った逃げに出て2着。
脚質に幅も出て充実している。
持ち時計の面からあまり時計の速い馬場になるとどうかと思っていたが、どうやら心配なさそう。東京ダート1600m自体は2勝していてコースも問題ない。
枠もコース形態を考えればレースしやすそう。7枠はフェブラリーステークスと好相性でもある。
チャンピオンズカップで馬券を当てることができた思い入れもあって、ここは原優介に乗ってほしかったところだがケガもあったのでこればかりは仕方ないか。
ただ、個人的な感情を差し引いても乗り替わりがプラスに働くとはあまり思えないのでそこだけがケチのつくところ。
⑬レッドルゼル。
フェブラリーステークスは4年連続の参戦で2021年4着、2022年6着、2023年2着。
確かに、1600mは若干長いだろうが過去3年の中で乾いて時計を要するコンディションだった昨年が最も好内容なので今年も期待できる。
おそらく馬のリズム重視で急かさずに中団~後方で運ぶ競馬をするのでこの枠も悪くない。
昨年の武蔵野ステークスとフェブラリーステークスのぶんくらい走れれば好勝負になる。
⑨ペプチドナイル。
以前は逃げをメインの戦法としており自分の競馬ができないと脆さもあったが、
最近は控える競馬ができておりそれに伴いムラな面も改善してきている。
1800m以上が主戦場だが過去には小回りの函館1700mで強い競馬をしたこともあるので
ここにきて初の1600mがいい方に出る可能性がある。
もちろん、これまでと比べて一気の相手強化なので過度な期待は禁物だが1600mの流れでこれまでよりもう1列後ろで運び差し脚を活かす競馬ができれば面白い。穴で一考。
⑪キングズソード。
前々走のJBCクラシックが強い勝ちぶりだったが、砂を入れ替えたばかりの特殊な馬場だったこともありその傾向をいちはやく掴んだモレイラさんの好騎乗も勝因だったと思う。
同じ大井2000mの前走東京大賞典では見せ場なく敗れているのでこれはもう騎手の差か。
いずれにせよまだ全幅の信頼はできない。
東京1600mは初めてだが4走前に騎乗した川田さんのジャッジでは「1800mは若干長い」とのことだったので距離短縮はいい方に出るかもしれない。
強気には買いづらいが押さえには。
④ドゥラエレーデ。
適性は芝なのかダートなのか? いや、適性はムルザバエフだ!などと言われるほどに好相性の鞍上が諸事情によりここに間に合った。
切りづらいところではあるが今回は疑ってかかりたい。
近2戦の3着は大井2000mと中京1800mですんなり先行できてのもの。
東京1600mだと流れが全然違ううえ、今回は他に先行したいタイプも結構揃っている。
過去2走ほどスムーズに運べるかどうか。そして序盤に少しスムーズさを欠くとどうなるのか。
真価が問われる1戦になる。これも押さえまで。
地方馬と芝からの転戦組に関しては、来ても驚けないもののやはり厳しいと思っている。
歴史を振り返っても馬券になったケースの方が圧倒的に少ない。
ミックファイアはまずJDDのレベルが疑問で強気には推しにくい。
イグナイターは安定感があってJRA勢にも勝っている。JBCスプリントも制していて実績は申しぶんなし。
ただ、やっぱり1600mはどうかというところ。
盛岡1600mの南部杯で4着、2着の実績があるが、盛岡のダートは速い時計が出るケースも多く過去の南部杯を見ても1600m以下の距離がベストというタイプの馬が3着以内にきた例が結構ある。
他の競馬場の1600m以上のダートコースとの親和性には疑問符がつく。
イグナイターにとってはもう少し締まったダートの方がよかっただろうがそれも叶いそうにない。この点を克服できるかがが大きなポイント。
芝からの転戦組では、ガイアフォースは確かに怖さがある。
母はダートで走っていたし母父クロフネという血統から、ダートが合いそうというのも理解できる。
昨年の天皇賞秋が5着だが勝ち馬が強すぎただけでこの馬も従来のレコードより速い走破時計。しかも勝ち馬イクイノックスに早めに捕らえにこられる厳しい展開での結果なので力のあるところは見せている。
路線が違うとはいえ、戦ってきた相手のレベルがそもそも上という見方もできる。
ただ、これまでダート未経験で初のダートがいきなりこのフェブラリーステークスという臨戦過程で馬券に絡んだ例は2001年のトゥザヴィクトリーまで遡る。
近年は芝から転戦してきてこのフェブラリーステークスで馬券になっている馬も数頭いるが、ソダシにしてもモズアスコットにしてもエアスピネルにしても、古くはメイショウボーラーにしても皆最低でも1回はフェブラリーステークスの前にダートを使われてからの参戦だった。
ガイアフォースもシャンパンカラーもここが初のダート。
もし来たらイレギュラーと割り切るしかないと思っている。
馬券は⑩、⑤、⑭、⑬、⑨の5頭に絞りたいところだが果たしてそううまくいくかどうか…。
勝負気配は「B」としときます。